科目概要
この授業では財務会計の基礎の学修を通じて,企業の活動を理解することを目指す。具体的には,貸借対照表,損益計算書に代表される財務諸表から会計情報を読み解き,企業が活動している産業・業種・市場の特性や,企業の経営の状況について理解していく。講義内容の中心は企業の財務会計システムである。これは,将来,企業で働こうとする人にとって必ず必要な知識となる。それだけでなく,官公庁,病院,学校,NPO・NGOなどの非営利組織で活躍したいと考えている人にも有用な知識である。会計は経済社会で活動するすべての人にとって有益な教養と言える。近年,転職を目指す人に人材コンサルタントは,「あなたは,英語と,ITと,会計ができますか」と尋ねるという(伊藤:2018,p.10)。会計が専門家だけのものではないことが知れるエピソードであろう。蛇足ながら,実践家の中には経済学と経営学の区別が曖昧な人が少なからずいる。つまり,経営学部・商学部卒業者は言うまでもなく,経済学部を卒業した諸君も(不本意かもしれないが)「経済学部卒業なのだから簿記や会計は知っているだろう」と期待されるだろう。
学習到達目標
財務会計論の主要な概念について,概要を説明することができる。また,これらの概念を適用して議論をすることができる。以下,具体的な概念の一部を列挙する。損益法,財産法,財務会計の概念フレームワーク,現金主義会計,発生主義会計,消費基準(発生原則),実現基準(実現原則),費用収益対応の原則,直接的対応(個別的対応),間接的対応(期間的対応),取得原価基準,時価基準,費用性資産,費用配分の原則有限責任,時価発行増資,社債,転換社債,新株予約権付社債,償却原価法,授権資本制度,優先株式,劣後株式,資本準備金,創立費,繰延資産,用役潜在力,コマーシャル・ペーパー有限責任,棚卸資産,取得原価,取替原価,純実現可能価額,正味売却価額,仕入値引,仕入割戻,仕入割引,原価計算,実際原価計算販売基準,工事進行基準,回収基準,個別法,先入先出法,後入先出法,移動平均法,総平均法,最終仕入原価法,売価還元法,継続性の原則販売基準,未償却残高,無形固定資産,非償却資産,のれん,投資その他の資産,資産除去債務,減価償却,残存価額,減価償却累計額,定額法,定率法,生産高比例法,減損会計,使用価値
テキスト
財務会計・入門:第18版
財務会計講義:第26版
成績評価方法
試験40% 平常点40% 課題点20% で評価する