科目概要
この科目では,マーケティング論の問題演習を通じて,知識の定着と,マーケティング論の理論枠組みを用いて議論する能力を養う。マーケティングは,確固たる学問領域であり,経営学や会計学とは区別されている。では,経営学でも学ぶポーターの基本戦略や,会計学の教科書に登場するCVP分析が,マーケティングの教科書でもそれなりの紙幅を割いて説明されているのは何故だろうか。それは,マーケティングは,経営現象を捉える視点だからである。受講者諸君は,よもや「マーケティングとは市場調査である」,といった狭小な理解はしていないと思う(これは,残念ながら,しばしばあり得る誤解である)。マーケティングの教科書には製品開発の話も,PPMも,組織の話も,国際経営の話も登場する。中にはブランドのように,経営学・会計学の教科書ではあまり目にしないものもあるが,大勢を占めるとは言えないだろう。マーケティング論は,マーケティングという視点から経営現象を捉えようとするから,必然的に他領域(殊に,経営学)と同じものに注目している。本科目ではマーケティング論の概念を扱うが,結果,経営学の振り返りにもなることを伝えておく。
学習到達目標
マーケティング論の主要な概念を自らの言葉で説明し,それらを用いて経営現象を議論することができる。以下に取り扱う術語・概念の抜粋を示す。マーケティング・コンセプト,生産コンセプト,製品コンセプト,販売コンセプト,価値共創,刺激-反応モデル,消費者情報処理モデル,関与,マーケティング・リサーチ,マーケティング・マネジメント,STP,マーケティング・ミックス,4P,セグメンテーション変数,知覚マップ,最寄品,買回品,専門品,製品ミックス,経験効果,経験曲線,参照価格,名声価格,威光価格,上澄み価格戦略,市場浸透価格戦略,コミュニケーション・モデル,反応プロセス・モデル,プロモーション・ミックス,IMC,メディア・ミックス,プッシュ戦略,プル戦略,マーケティング・チャネル,商流,物流,情報流,小売りの輪仮説,真空地帯仮説,流通系列化,製版連携,SCM,SPA,投機,延期,Porter の基本戦略,PLC,マーケティング近視眼,マーケティング遠視眼,成長マトリクス,成長ベクトル,PPM,SBU,ブランド・エクイティ,ブランド・アイデンティティ,保証機能,識別機能,想起機能
成績評価方法
試験40% 平常点40% 課題点20% で評価する