科目概要
この科目では,会計学の論述式の問題演習を通して,知識の定着と,会計学の理論枠組みを用いて議論する能力を養う。受講者諸君は,簿記・会計の学修を通じて,減価償却の方法を知っているだろう。つまり,定額法によって間接法で減価償却費を計上せよ,と言われれば,容易に仕訳できるはずである。一方,「なぜ固定資産を減価償却するのか」と問われて,明確に答えられるだろうか。また,売買目的有価証券の期末評価替えについて,決算整理において仕訳する方法を受講者諸君は知っている。しかし,(最近,頓に評判が悪いが)「その他有価証券」にあたる持ち合い株式は純資産直入する。この違いを論理的に説明できるだろうか。簿記・会計について,「知っている」と思っていることに,実は表層的なものが紛れ込んでいるかもしれない。この科目は,それらを本質に立ち返って問い直す機会になるであろう。
学習到達目標
簿記・会計の科目で学んできたことを,理論的背景を踏まえながら自らの言葉で説明し,議論することができる。以下は,説明を求められる術語・概念の抜粋である。財務会計の利害調整機能・情報提供機能,会計公準,会計原則,発生主義会計,営業循環基準,棚卸資産,損益計算書の構造(区分表示),財産法・損益法,商品売買の仕訳,経過勘定,主要簿・補助簿,決算整理仕訳,決算振替仕訳,大陸式決算,英米式決算,減価償却,有価証券の種類と会計処理
テキスト
よくわかる簿記シリーズ 合格トレーニング 日商簿記3級 Ver.14.0
合格トレーニング 日商簿記2級 商業簿記 Ver.17.0
成績評価方法
試験40% 平常点40% 課題点20% で評価する